岸井戯曲を上演する#10[かり]


blanClassで行われた岸井戯曲を上演する。#10[かり]。岸井大輔さんの戯曲を元に構成された4つの上演とひとつの漫画。
 

父の死が夢か現実か‥ある男の迷夢のつぶやきから始まる大石将弘さんのバージョンA。ひとつのコード音が増幅され、ピアニカの音やスケジュール帳に糸を通す行為によって拡張されていく寒川晶子さんバージョンB。
 

目の前で数枚の用紙をカッターで切り出し幣を作り、かすかに胸ポケットからなる音を聴き、窓の外の音や風を感じながら神楽を舞う岸本昌也さんバージョンC。二人の女子の日常会話から出産にまつわる話しが展開され、元になったシェイクスピアの戯曲が携帯のGoogle同時翻訳ソフトで読み上げられ、その言葉にひれ伏すような表情が今回一番印象に残った(ラストのキャバ嬢が名刺を配る演出も良い)COLLOL田口さん、八田さんバージョンD。
 

大石さんのバージョンに通じるような、いなくなった彼女の妹が突然絵から現れ、夢と現実の狭間で会話するようなストーリーが展開される今井新さんの漫画。続きが凄い気になる。
 
黒嵜想さんとのアフタートークのおかげで演劇を見慣れない私でも、演劇の中の戯曲の役割が少し理解出来た気がした。音楽と演劇を一緒の場所で上演すると、いつも見ている音楽のライブ、パフォーマンスの在り方とかなり違って見え、それが何なのか今後考えたい。
 
・blanClass HP
http://blanclass.com/japanese/schedule/20170610-11/

・岸井大輔さんHP
https://www.kishiidaisuke.com/