今年一年を振り返るの文をあとひとつ書きたかったのですが、
もう今日は帰省するようなので、昨日のポ祭の事だけ
少し書いて、今年の締めくくり。


気になっていた空間現代のライブを初めて見て
あッフリクションINU!と思ったのは私だけかな。
空間現代の前のめりの変則ビートと、
洪水のように溢れ出てくるECDの言葉。
お互いの音と声が掛け合い、融合するというよりは
中合わせに反応するように次々とビートを叩き出す。
今まで考えた事もないような、ジャンル同士が生み出す音は
ジャンルには納まり切れない、何か新しいものを見た時のような
茫然としながら眺めてしまう圧倒感があった。
是非この二組が一緒に作ったアルバムが聴いてみたい。


宇多丸(佐々木士郎)×佐々木中×佐々木敦の佐々木サミット。
佐々木中のラップのようなビートのある言葉に圧倒された鼎談。
日本の思想・文壇の遅れているさ加減や、蓮實重彦フーコー
会った時下らない質問ばかりしていたので、途中で中断された
様子を日本のメディアは隠し通す事などを話していた。
ずっと個を主体とする表現が好きだったので、
HIP HOPが持つ共同性みたいなものがずっと理解
出来なかったのですが、ガタリの言葉を引用しながら
共同性の重要さを熱く語っていた佐々木中の言葉を聞いて
こうゆう時代だからこそコミュニティっ/場ていうのは大切かも
しれないと思った。自然に悪いものヘタなものは淘汰され
良質なもの上手いもの人を感動させる事が出来る表現だけが
上に上がって行けるシステム。それがHIP HOP。
思想界にはそれがないと...
私もずっと思っていたのですが、ビッグビジネスとは別に
音楽はリアルに面白い音を作っていくアーティストに対し、
ちゃんと耳を持ったリスナーがいて、場を繋げていく評論家や
オーガナイザーがいて、お金を払うシステムも確立されている。
美術や写真に物足りなさを感じるのは、権威主義的なものの支配力が
大きいのでリアルなものが浸透しずらいところだよな..
と昨日の話しを聞きながら改めて思った。
テン年代とかそうゆう狭い視野の話しはどうでも良くて、
世界中の優れた表現者は晩年になって傑作を作る例が多いんだぜ..と
沢山のアーティストの例を挙げて長いスパンで物事を考えていこうぜ!
と締めくくっていた。3人の話しを聞いて佐々木中の分厚い本より
(多分私じゃ読みきれないか..)HIP HOPが聴きたくなったのは
私だけではないはず。佐々木中の話しは又聞いてみたい。


虫博士/インセクト・タブーは初めて見た。
宇波サンのバンドだったのか。
バンドのキャラにただただ圧倒された。
今年最後にヘア・スタイリスティックス渋谷慶一郎のライブ。
久しぶりに中原クンのノイズシャワーを全身で浴びて、
厄落とししたようでスガスガしい気分(厄年ではないけれど笑)。
あまりにもの爆音で耳鳴りがまだ残っているけれど、
良い年が迎えられそうです。


来年も宜しくお願いします。