メディアセブンでのトークセッション、
BACH 幅允孝サンの会の覚え書き。。


出版の暗いイメージ、本は売れない、店は無くなる。本の数は減っていて、タイトルの数は増えている。本屋へ入れるだけで、お金が入るので。自分が出会いたい層の本になかなか出会えない。人と本が出会える場所を作り直す。BACHロゴはSOUPデザイン。


幅サンの経歴ー青山ブックセンター六本木店→石川次郎のJIで編集。その時ツタヤ東京六本木を手がける。本が人がいる場所へ出て行く。どんな本屋にしたいか。徹底リサーチ。インタビュー、どんな事がしたいか?ライフスタイルの提案、旅/食/デザイン/アート、4つの柱を軸に作った。影響を受けたガルシア・マルケス百年の孤独」はトラベルコーナー、南米の隅っこへ入れる。アントニオ・タブッキ「インド夜想曲」はインドコーナー。ブレッソンの写真集はインディアンへ。


ほしい本が決まっている場合はAmazonで買う。知らない本に出会ってほしい場所が本屋。違う円、サークルが知らないうちに繋がる。非能率の能率。座ってゆっくり読んでもらって、本のファンを増やす。BOOK246ー大陸別にセグメントされた本棚。古い本や雑貨も置く。原価率がいい。オリジナルバッグなど。\1,000の本で\250が本屋の取り分。LOVELESS洋服屋マイブラのタイトルから。音楽CD、全て繋がっている世界観。本も買って行く。そのモチベーションで本が売れていく。本をめくる行為が失われているのが良くない。100人の人が全員面白いと思う本は危険。この後BACHを始める。そこに来る人が背伸びをしないで取れること。寝室、キッチン、トイレ(元TOTO 19c)。福岡サラ/美容室。人格を立ち上げる。店を人に思い浮かべ、置き換えて。


大阪、千里の脳梗塞リハビリテーション病院。患者に会う。始めどうしていいか分からなかった。ページをめくるのがリハビリ、体にいい。パラパラブック(フリップブック)を置く。本を読む持久力がない。長い文が読めない。詩、俳句、短歌など短いものを置く。旅本、外へ行きたいと思う事。あの時の記憶を思い出す事。EXPO70、昭和思い出の歌の本。文脈を知らないおじさん達に色々言われ、容赦がない場所。小1ドリルがリハビリ。リハビリに谷川俊太郎の詩「接吻」を書き写す。意識が外へ向く。


本が好きな理由。紙に情報が印刷されているものフェチ。非能率。沢山の人に伝えるにはマスなメディアではない。ピンポイントで自分の気持ちを伝える。本の領分。後から遅れてジワジワ効いてくる。即効性じゃないところ。あの人がこんな事言ってたな..と思える。読んでいて「得するんですか?」と良く言われる。読書量ではかなわないが、引き出しで差し出す事で仕事。いい本悪い本は主観なので言えない。読み聞かせにいい本。IQが上がるとかじゃない。親がまずいいと思う本を読み聞かせる事。人様が書いた本を商売。書いた本をリスペクトすること。


本が新しい事が出来る。NIKE DUNK/靴ーバスケーグラフィティーミュージシャン。DUNK KNOWS/色別に本を並べる。白、黒、青、黄、赤、ピンク。本棚と広告。バスケのリバースターン、片足は本で。本が好きで人の話しを聞ける人なら出来る。予備校や空港の仕事。ディストリビューター倉庫で手を見る。タイトルのつけ方。リスト200-300冊を用意。生ものなので現場で即興で並べる。新刊情報は自分が関わってない本屋で、気になるものを自分のお金で沢山買う。一日何百冊も出るので、全てを読むのは無理。本や編集、手に取られる過程。カタログ編集もする。竹型の本を作った。週に一度は現場で棚のメンテナンス。小売店は増やせない。自分の手に届かない。ストックは持たない。ビジュアルブックは買い付け。フランクフルトブックフェア。好きな本は背表紙で分かる。築地マグロ競りと同じ。


http://www.bach-inc.com/index.html



幅サンが手がける本屋に、知らずに出向いていた事が多いな..
と話しを聞いていてビックリした。
本屋は本を並べて売っている場所だけれど、その並べ方、
コーナーの作り方ひとつで、ここは見やすいな..とか、ここの本の並びは
イマイチ..とか、素人ながら自分の中で勝手に思っている事は多い。
一ヶ月に本や雑誌を一冊も買わない人が半数以上..という最近の
ネットニュースを見て、想像以上に情報の役割が、紙媒体からネットに
移行しているんだな、と思う。どんどんコンテンツフリーの
時代になっていく中での本の役割。
幅サンの言っていた「非能率の能率」という言葉が印象に残った。
もう一度原点に戻って、紙をめくり文字をじっくり読む楽しさ。
本の持つ質感や印刷活字の美しさを味わうこと。
私は幅サンとは違って、紙もネットの表現も同じように好きだけれど、
千里の脳梗塞リハビリテーション病院の話しを聞き、やはり本の持つ
媒体の強さを感じずにはいられなかった。
めくるだけで、自分がいる所とは違う世界が広がっていて、
沢山のことを教えてくれるもの。時には精神的支えになったり、
自分を救ってくれるものになりえる言葉や写真の力。
そんなものが本当の文化なんだとしたら、もう一度原点に戻って
シンプルな表現の良さについて考えてみてもいいかも..と思った日でした。