不都合な真実 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

不都合な真実 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

大隈講堂で行われた地球環境グローバルサミットで、
アル・ゴアの講演があり行って来ました。
macを開きながら「どうもありがと!」と
日本語の挨拶から始まったレクチャー。
映画「不都合な真実」にプラスした内容。
分かりやすく次々に、実データを元にして
世界各地で起こっている環境破壊についての
現状を話してくれました。


世界的信用危機でグローバルな景気後退の中、
グリーン・インフラ(グリーンテクノロジー、グリーン信用)を
進めるべきだ..と強く述べていたのが印象的でした。
スペイン政府は、省エネ照明を無料で国民に配布しているらしい。
世界各地での大洪水や干ばつ、落雷による山火事など、
100年に1度の災害が、2年に1度周期で起こるようになり
徐々にマスコミにも取り上げられなくなる。
明確なデータを元に多くの科学者達は訴えているのに、
それは正しいデータではない..と取り合わない政治家達。


「どこか行きたいなら一人でいけ、遠くへ行きたいなら早く行け」
アフリカのことわざをユーモラスに交えながら話す。
モルディブでは何年か後には国全体が浸水してしまう
危険があるため、国ごと移住する計画があるという。
太陽、地熱、風力など永遠のエネルギーを使う。
林保護、CO2の放出を押さえる。
人類の文明と文明の衝突。工業化された農業の問題。
人口増加を押さえる。そのためには女性の地位を確立する。
2億年、恐竜より残った蛙、両生類が世界中からいなくなる。
不都合な真実」でも印象的な蛙のアニメーションを見ながら、
それって日本に暮らす私達かもしれないな..と笑えなくなってしまう。


日本はアメリカと違って環境についての取り組みを
企業単位で開発し、経済的にも成功している環境先進国だ..
トヨタ、ホンダのハイブリッドカーなどをGMなどと比較し述べていた。
それでも領土の狭い日本は、他の先進国と比べ
CO2排出量が多いのも事実。


環境問題を考えれば考える程、産業革命後のたかが100年で、
取り返しのつかない地球にしてしまったんだ..という思いで一杯になる。
豊かに暮らせるはずの技術革新や効率化が、
人間にとって生命存続をも脅かすものになる。
ゴミの分別をする、大切に物を扱う..などの
私達が身の周りで出来る事ぐらいじゃ、どうにもならない
ところまで来てしまっているのが現状だと思う。
そんな事を考えていると、私達より上の世代に対して
いつも強い怒りを抱いてしまう。
いっその事、自業自得なので地球のためには皆揃って
いなくなればいい..破壊も想像..とさえ思ってしまうのですが、
アル・ゴアの生の肉声を聞いて、世界中で繰り返し伝えていく事が、
実際に少しづつでも現状を変えていく事になっているんだな..
と実感した。明確な言葉を持ち何度も何度も訴え続ける力。
日本のお偉い方が紙を見ながら、ボソボソ話していたのに対し、
アル・ゴアの分かりやすいユーモアを交えながらの壮快なトークは、
世界のグローバルスタンダートな言葉を持つ国の力なんだと思った。
アメリカも大統領がオバマに変わる事で、少しでもいい方に
チェンジすればいいけれど。。
理想論だけれど、ベーシック・インカムが本当に実現すれば
先進国の働き方が変わって、環境にも良い方に作用するのかもしれない。