4月のsoto映画会。
大好きなアキ・カウリスマキ監督の
「マッチ工場の少女」。1990年フィンランド映画
マッチ工場で働くイリスの、工場と家を往復するだけの
どうしようもない退屈な日々。そんな日常から脱するための
ちょっとだけの冒険。家族の生活を支えている給料を使い込み、
派手なドレスを購入して着飾り、ディスコへ。
そこで知り合った男と一夜を共にして、いきなり妊娠してしまい、
それを告げると男は尻尾を巻いて逃げ、家族には罵倒される。
復讐のため殺鼠剤を購入し、男のドリンクに混ぜ殺害する。
その後クリスマスの最後の晩餐で、家族に食事を作り
そのドリンクにも薬を入れる。
バーで偶然に会ったいけ好かない男にまで。。
ストーリーだけ聞くと、何て悲惨で残忍な話しなんだ..と
思うけれど、カウリスマキは独特の"間"を持たせる事で、
ユーモラスに作品を描く。極端に少ない会話や、
ロカビリー(昭和歌謡?)っぽいロックな音楽、
冴えないあか抜けない役者...
日常の誰にでも持ち得る、どうしようもない感情を
コミカルに描いています。負け犬だって何が悪い。。





最後の晩餐のsotoメニュー。
マッチ工場という事で暗い室内の中、用意してくれた
マッチをすり、ロウソクに明かりを灯しての食事。
「全然北欧ぽい料理が出てこなかったので、
家族と最後に食べていたチキンを用意してみました。」
と用意された、カシスソースを塗って焼いたチキンには
ほんのり甘いさくらんぼソースがかかっていました。
添えてあったマッシュポテトも美味しかった。
食後のコアントローコーヒーが面白かった。
スプーンに角砂糖をのせ、コアントローが入った容器に入れ
マッチで火をつけ、砂糖が溶けたらコーヒーに入れて頂く。
砂糖の甘さとアルコールとコーヒーの苦味が
一体になって、何とも言えない味わいになっていました。