「とおりすぎるもの:経験として着るをとらえる#1」

明日12/10(日)dikeでは、低音ヴォイスで演奏する実験音楽家であり服飾の研究をする中村ゆいさんの「とおりすぎるもの:経験として着るをとらえる #1」を開催します。

「とおりすぎるもの:経験として着るをとらえる #1」のフライヤー

 
2015年5月dike biki展示での中村ゆいさんの演奏

中村ゆいさんの演奏の面白さを意識したのは、dike biki展で演奏して頂いた時からだと思う。2Fで諸根陽介さんが演奏してる中、1Fの風船が音を立て割れる空間で、身体を丸めうずくまりマイクを握り締め、床を這う様な緊張感ある低音ボイスに圧倒されたパフォーマンスを見てからだ。その後biki展がソウル北海道大阪で行われ、ゆいさんの演奏が場所に呼応するかのように変容していった。
2017月5月大阪FIGYA biki展でのゆいさんの演奏

 
ゆいさんが大学院で研究している「着る」という行為と、身体から発する極限まで削ぎ落とされた声/ボイスのパフォーマンスの類似性と新たな試みを聞いた時、ふたつ返事でdikeでのイベント開催をOKお願いしました。今回のパフォーマンスの概要を聞いた時に、日常的な身体行為なので、女性性を伴うものになるだろう…と思っていたので、ゆいさんが作る空間で、河野円さんのリベンジ演奏を見られるのは大変楽しみだ。
 
2014年4月dikeでの河野円さんの演奏

河野円さんはdikeが始まった当初「パク・ダハム+康勝栄, 神田聡+矢代諭史, 河野円ライブ」という実験的なイベントを開催してくれた方で、テープをフィードバックさせ演奏するアーティスト。河野さんの心境の変化がどのような音の変化になっているか期待です。
https://spacedike.blogspot.jp/2014/03/helicopter-records-park-daham-3-dike.html
 
13時半〜17時半はdikeの空間で中村ゆいさんのパフォーマンスが行われる予定です。15時〜15時半、17時〜17時半には河野円さんの演奏が、パフォーマンス終了後18時〜19時にはゆいさんとメディア史・ファッション研究家の工藤雅人さんのトークが行われます。13時半〜19時オープンです。(500円+1drinkオーダー)今年最後のイベントになります。是非お越し下さい。
https://spacedike.blogspot.jp/2017/11/projectionwearing.html
 
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「プロジェクション」、「実験」という名前を借りて、いま自分が研究していることを、パフォーマンス/行為として、研究データを分析した結果ではなく、「着る」という今まさに行われている最中にある出来事として、展開してみたいと思います。これは一回限りの完成品の展示ではなく、これまで続けられ、そして今後も続けられていく、活動の一端です。 初めての試みとなる今回は、自分の部屋という閉じた場所で毎日行われている「着る」という行為を、dikeというまた別の生活が行われている場所へ、他者へ開かれた時空へ移してやってみるという、なんだか少し怖いようなことを試してみる予定です。これまで日々の中に沈殿していた経験を改めて、始めてみる/初めて見るような、とある日常の中の一回限りの、しかし繰り返される試みに、ご縁のある方にぜひお立ち会いいだければと思っています。ー中村ゆいー
 
・dikeブログページ
https://spacedike.blogspot.jp/2017/11/projectionwearing.html
・FBイベントページ
https://www.facebook.com/events/1880271358949523/
・togetterまとめ
https://togetter.com/li/1177222
 
【日時】2017年12月10日(日)
 13時開場・13時半開始/19時終了
【会場】 space dike
 〒111-0021 東京都台東区日本堤2-18-4
 東京メトロ日比谷線 三ノ輪駅3番出口 徒歩5分
 http://spacedike.blogspot.jp/
・パフォーマンス: 13時半〜17時半 中村ゆい
・演奏: 15時〜15時半、17時〜17時半 河野円
トーク: 18時〜19時(パフォーマンス終了後) 工藤雅人、中村ゆい
【️参加費】500円+1drink(300円〜400円)
 
◼️出演者・登壇者プロフィール
河野円(こうの・まどか)
神奈川県生まれ。大学在学中に認識や知覚に興味を持ち、2003年美学校サウンド/アート表現講座の受講を機に、それらにより焦点を当てるような演奏に取り組むようになる。現在は主に、テープレコーダーやメトロノーム、金属板等を使用した干渉や間隔、変化を捉えた演奏を行う。
http://www.i-ma-wav.com/
 
工藤雅人(くどう・まさと)
1981年山形県米沢市生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。文化学園大学助教。専門は社会学、メディア史、ファッション研究。
論文に「洋服から身体を引き剥がす――ANREALAGEの示す『かたち』」(2011年,西谷真理子編『ファッションは語りはじめた』フィルムアート社),「COMME des GARÇONS以前のコム デ ギャルソン」(2012年,西谷真理子編『相対性コム デ ギャルソン論』フィルムアート社),「「広告」を飼い馴らす――1950年代の『装苑』における誌面構成と「広告」の関係に焦点を当てて」(2017年,『文化学園大学文化学園大学短期大学部紀要』48),「「差別化という悪夢」から目ざめることはできるか?」(2017年,北田暁大・解体研『社会にとって趣味とは何か』)など。
 
◼️主催者プロフィール
中村ゆい(なかむら・ゆい)
1981年札幌市生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程。意味や表象としてではなく経験や行為として「着る」をとらえることをテーマに、現在は服を選びとるときの「感覚」を切り口として、服を着る行為がいかになされているのか、経験/感覚の記述とその方法を模索しながら、考察している。研究と並行して、主に喉とマイクを使用したボイスパフォーマンスも行っている。